戸建てのメンテナンス費用は高い?注文住宅購入前に知りたいコストの話
戸建て住宅は、さまざまなことを気にかけなければなりませんが、その中でもメンテナンスは非常に重要です。メンテナンスを怠れば、最悪居住できなくなることもあります。ここでは一戸建てのメンテナンス費用は高いのか、メンテナンス費用を用意することの必要性、長く住める注文住宅を建てることについて解説していきましょう。
一戸建てのメンテナンス費用は高い?
一戸建てのメンテナンス費用は高いかと言う問いに答えるのであれば、「考え方によるが、相対的に高い」が正しい答えになるでしょう。一戸建てに限らず、住宅にはメンテナンスが必要ですが、メンテナンスを一切しないという判断をする人もいます。
これは、「築年数が長く、メンテナンスを施してどうにかなる状態ではない」「経済的にメンテナンスをする余裕がない」「取り壊して新しい家を建てるので、やるだけ無駄」「元々する気がない」といったことが理由です。
メンテナンスするかしないか、またその内容、周期については一人ひとり考えがあるので一律に論じるものではありませんが、一戸建てはマンションと比較してメンテナンスすべき箇所が多く、相対的に費用が高いのは事実です。一戸建ては、それこそ基礎、構造、内装、外壁、屋根、設備、外構に至るまですべてがメンテナンス対象です。
対してマンションは自分の区分所有している部分のみがメンテナンス対象といえます。それ以外の建物の外壁、バルコニーなどの共有部分、エレベーターなどの設備、外構などは管理費を支払っているので、管理会社や管理組合で対応することになります。逆に自分の思い通りに変えたり、なくしたりできないのは一戸建てと異なる部分と言えるでしょう。
また、賃貸の場合は、原則としてメンテナンス費用はかかりません。賃貸は「通常使用」「経年劣化」の範囲であれば賃借人はメンテナンス費用を払う必要がありません。つまり、壁紙が剥がれようが汚れようが、機器が壊れようが通常使用をしている分には貸主である大家がメンテナンスすることになります。
逆に、「タバコを室内で吸って、ヤニや匂いを付着させた」「通常使用の範囲を超えて無理して機器を使用した」といったことになれば自前で修理するか、それに相応する金額を支払うことになります。
メンテナンス費用を用意しておこう!
一戸建てのメンテナンス費用は相対的にマンションや賃貸と比較して高いことがわかりましたが、その総額はかなり高いものです。外壁や屋根を一軒丸々するとなると数十万円から数百万円ほど必要になりますし、おおよそ20年周期くらいでするキッチンやお風呂など水回りのリフォームも同じくらいかかります。
築年数が増えてくると怖いのがシロアリです。建築会社の保証期限は建築会社によって異なりますが、これが切れていた場合は自前でしなければならないことがほとんど。費用は床下の薬剤による駆除で平米あたり六千円から一万円くらいの金額がかかります。
さらに、基礎部分に被害がある場合はその補修も必要です。また、その場にいるシロアリの駆除だけでは被害が再発する可能性があるので、シロアリの侵入確率を下げるための床下換気システムの設置や定期的な薬剤塗布が必要になってきます。
他にも、壁紙、フローリングなども剥がれたり劣化したりすれば補修や取り替えが必要になってきます。これらの費用は簡単に捻出できるものでありませんが、一戸建てを購入する際には多くの方が頭に入れていない項目です。
購入の際は、購入手続きや資金確保に忙しく、「メンテナンスが必要なのはわかるけど先のことなので、後回し」「なんとなく必要なのはわかるけど、いくらになるかは計算していない」といった方が多いのが現状。
上記の通り、メンテナンスの内容、周期は人によって様々ですが、後になって困るようでは資金確保の仕方に問題があるといえます。大雑把でもいいので居住期間に応じたメンテナンス費用は頭に入れておきましょう。
長く住める注文住宅を建てよう
メンテナンス費用を低減させる方法はいくつかあります。それの最たるものは、長く住める注文住宅を建てることです。
たとえば「耐久性の高い基礎、建て方をして地震、災害、シロアリに強い家にする」「外壁に防カビ、防汚、光触媒機能などがついたグレードの高いものを使う」「耐用年数の長く、保証期間の長い設備を導入する」「建築会社が用意する延長保証を活用する」といったことが考えられます。
メンテナンス周期を先延ばしにすることはコストを抑え、それを考える精神的な苦労を先延ばしにすることを意味するのです。この部分も大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
ここでは、一戸建てのメンテナンス費用は高いのか、メンテナンス費用を用意することの必要性、長く住める注文住宅を建てることについて解説してきました。一戸建てのメンテナンスは相対的に高いが、長く住める注文住宅を選択することでそれを低減できることがわかったでしょう。上記を参考に一戸建てのメンテナンスについて、長期的な視点に立って計画的に対応してください。